サステナビリティ・アップサイクル

アップサイクルとは?
食肉から生まれた革が環境貢献につながる仕組み

岡喜近江牛レザー MUDITA HILL LEATHER 公式ブログ

「アップサイクル」「地産地消」「SDGs」——近年よく耳にするこれらの言葉。しかし、自分の手に取る製品と本当につながっているものは、実はまだ多くありません。MUDITA HILL LEATHERは、岡喜の近江牛が食肉として役割を果たした後、その皮が新たな資源として生まれ変わったものです。消費の先に、環境と社会への貢献がある。その仕組みをひもときます。

まず「アップサイクル」とは何か

WORD

アップサイクル(Upcycle)

本来は廃棄されるはずだった素材や製品に、新たな価値や機能を加えて生まれ変わらせること。単に素材を再利用する「リサイクル」と異なり、元の素材よりも付加価値の高いものへと「格上げ(アップ)」する点が特徴です。

一般的な再利用

リサイクル

  • 素材を一度分解・処理して再利用
  • 価値は元の素材と同等か以下になることも
  • 加工に資源やエネルギーを要する
  • 廃棄物を減らす効果がある

近江牛がバッグになるまで——資源の流れを追う

岡喜王に牛レザーがどのような流れで生まれるのか。その工程を順を追って見てみましょう。

1

岡喜牧場で近江牛を肥育(滋賀県竜王町)

「牛に良いとされることは何でも試す」という哲学のもと、岡喜は180年にわたり近江牛を育ててきました。長い歴史の中で愛された極上の和牛「近江牛」が生まれます。

2

食肉として流通。皮は副産物として残る

牛は食肉として役割を果たします。このとき、これまで廃棄や安値での処分が課題となっていた「皮」が副産物として残ります。ここからアップサイクルが始まります

3

国内の加工場でタンニンなめしを施す

副産物の皮を、国内の加工場で植物由来のタンニンを用いてなめし加工します。時間とコストはかかりますが、有史以前から行われてきた環境に比較的優しい製法を採用。輸送距離を抑えながら、品質を管理します。

4

Cogocoro工房で一点一点、職人が手作業で製品に(滋賀県近江八幡市)

革の個性を見極めながら、商品やパーツごとに異なる厚みの革を使い分けます。機械的な均一化はせず、それぞれの革が持つ自然なムラや風合いを活かして、職人の手で仕上げます

5

MUDITA HILL LEATHERとして、使い手のもとへ

廃棄されるはずだった皮が、長く愛用できる革製品として新たな命を宿します。使うほどに経年変化が深まり、使い手とともに育っていく。これがアップサイクルの完成形です。

牧場側の思い

「大切に育てた牛を使い切りたい」——これが岡喜牧場からのプロジェクト参加の動機でした。工房側の「近江牛の革を使った製品を作りたい」という思いと合致し、数年にわたる試行錯誤の末に商品化が実現しました。

「地産地消」という視点——滋賀で育ち、滋賀で作る

Cogocoroのものづくりには、もうひとつ重要な軸があります。それが「地産地消」です。
近江牛の産地・竜王町と、工房のある近江八幡市。ほとんどの工程が滋賀県内とその周辺で完結しています。

岡喜牧場
近江牛の肥育
滋賀県竜王町
国内加工場
タンニンなめし
国内で一貫管理
Cogocoro
製品の製作
滋賀県近江八幡
使い手へ
MUDITA HILL
LEATHER

地産地消は、単に地域経済を支えるだけでなく、輸送にかかるエネルギーやCO₂排出を抑える効果もあります。また、生産者と加工者の距離が近いことで、素材の品質管理や情報の透明性も高まります。岡喜牧場代表の岡山和弘氏とCogocoro代表の田中秀樹氏は、同じ竜王町出身の幼なじみ。顔の見える関係だからこそ生まれる信頼が、製品の品質にも宿っています。

SDGsとの接点——この製品が貢献する目標

MUDITA HILL LEATHERのアップサイクルと地産地消の取り組みは、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)の複数の目標とつながっています。

SDGs 12
つくる責任、つかう責任
食肉副産物の皮を廃棄せず革製品として活かすことで、資源の無駄を減らす「責任ある生産」を実践しています。
SDGs 15
陸の豊かさも守ろう
植物由来のタンニンなめしを採用し、化学薬品による環境負荷を抑える製法を選択しています。
SDGs 8
働きがいも経済成長も
滋賀県内の産業として地域の雇用と経済を支え、職人の技術と仕事を守り続けています。
SDGs 17
パートナーシップで目標を達成しよう
牧場・加工場・工房という異業種の連携によって、ひとつの産業では成し得ないものづくりを実現しています。

MUDITA HILL LEATHERを選ぶということ

この製品を手に取ることは、アップサイクルと地産地消を支持し、持続可能な消費に参加することでもあります。長く使い続けることで廃棄をさらに減らし、経年変化を楽しむことで「もったいない」の文化を自分のライフスタイルに取り込むことができます。


「使い切る」という、180年続く岡喜の哲学

「牛に良いとされることは何でも試す」という岡喜の考えは、牛の命を最大限に尊重し、余すことなく活かすことへの責任感に支えられています。

180年にわたりその姿勢を守り続けてきた老舗が、現代のSDGsという文脈の中で改めて注目されているのは、決して偶然ではありません。時代を超えた普遍的な倫理観が、今という時代と共鳴しています。

食肉として一度役割を果たした近江牛が、今度は革製品という形で、使い手の日常に長く寄り添う。それは命を最後まで大切に扱うという、岡喜のものづくりへの誠実さそのものです。

まとめ

この記事のポイント

  • アップサイクルとは、廃棄予定の素材に付加価値を与え新たな製品を生み出すこと。
  • 近江牛の食肉副産物の皮が、国内加工場でタンニンなめしされ革になる。
  • 竜王町の岡喜牧場から近江八幡のCogocoro工房まで、滋賀県内で完結する地産地消。
  • SDGs 12(つくる責任)・15(陸の豊かさ)・8(働きがい)・17(パートナーシップ)に貢献。
  • 「大切に育てた牛を使い切りたい」という岡喜の哲学が、このものづくりの原点。
  • 長く使い続けることで、購入後も廃棄を減らすサステナブルな消費につながる。

近江牛の革から生まれた、滋賀発のものづくり

岡喜近江牛レザー MUDITA HILL LEATHER

近江八幡の工房で一点一点、職人の手により製作されています。

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